2015年11月16日月曜日

鉄腕ダッシュ(NTV)で、サメのすり替え事故(ホシザメ→トラザメ)

TOKIOがアイドルの副業の傍ら、農作業や肉体労働で働く様子を克明にとらえたドキュメンタリー風バラエティ「鉄腕ダッシュ」が好きでほぼ毎週見ております。
 その中のコーナー、横浜市某所が舞台の「ダッシュ海岸」も私のお気に入りのコーナーであります。

 昨日は、ダッシュ村から飼われていた柴犬の「北登」くんの傘寿祝いと称して、おいしい魚を求めて内房で漁をするというものでした。

 その中で、東京湾にもたくさん棲む「ホシザメ」が刺し網でかかり、その解説シーンの一部を見た瞬間、飲んでいたお茶を豪快に吹き出してしまいました。

 ナレーション「名前の由来は…体についた星のような模様」

 ババーン

©NTV
 
 あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!

おれは ホシザメの解説を聞いていると思ったら、

いつの間にかトラザメを見ていた

な… 何を言っているのか わからねーと思うが 

おれも 何が起こったのか わからなかった…


頭がどうにかなりそうだった… 深海ザメだとか人食いザメだとか

そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ

もっと恐ろしいものの片鱗を 味わったぜ…



これって「トラザメ」じゃん!!

なんでなんやー! なんでサメがいれかわっとんのやー!
 (城島リーダー風に)

割どうでもいいバラエティならこんな記事は書きませんが、 よいコンテンツの番組だけに「ああ、もったいない」との思いがこみ上げてきました。

星模様があるのが名前の由来(諸説あります…干すサメとの話も)というのもその通り、ホシザメのおいしいサメという解説がきっちりしているだけに、練り物にしかならないトラザメを載せてしまうとは…。
 リーダー渾身のダダスベリダジャレも、頭に入ってきません。

 サメの表記、画像掲載は正しく行いましょう!

 
ホシザメ(Mustelus manazo


 Haieからのお願いです。

2015年11月15日日曜日

見えないだけで「そこ」にいます。(サメが生きている痕跡)

サメの歯入り小瓶とオブジェ

 サメ好きの方で、サメの歯を収集されている方も多いのではないかと思います。化石などは、メガロドンを筆頭に好事家が競い合って買い求めます。
 また歯に止まらず、顎に触手を伸ばすコレクターの方もいらっしゃることでしょう。

 概して高価な顎や化石ですが、私は収集については少し距離を置いています。専門家でもない人間が、これらを買い求めることであまりいい影響を与えないのではとの懸念と、単にマネーの問題です。

 恐らく後者の方が理由が大きいです。

 さて私たちがよく目にする鋭くとがった大きいサメの歯は、実はサメの中ではかなり少数派の歯です。

 しかし所帯の多い、1m前後の小型のサメの歯は、なかなか入手が困難です。これらは歯も微小で、恐らく水族館でも飼育の多いドチザメやエイラクブカなどは歯が生え変わっている事実さえ気づかれていないかもしれません。

 私は各地の水族館のサメのタッチプールでこのようなものがないかをつぶさに観察し、集めたりしていました。なかでもドチザメは常連で、 2~3㎜ほどの歯なのですが、ちゃんと尖っていて大きさ以外は立派な歯の形をしています。

 それをあるサメ友達へ見せて、実はこんなのがありますよと、お話したことがありました。

 その時いたく感動され、つい最近あるプレゼントをいただきました。本当にありがたい話です。

 それは、ある水族館の水槽の底に落ちていた、エサの貝殻の混じった残渣です。

 私なら見つけられると託され、詳しく調べますと確かに微小な歯がいくつも出てきました。

 本家サイトの「サメってよく見ると面白い!」コーナーにおいて、その顛末を掲載いたしました。

 皆様ぜひご覧ください。
  http://www.geocities.jp/haie1976/observation.html 

 また歯の収集家の方で、詳しい見識をお持ちの方がいらっしゃいましたらご指摘ただけると幸いです。よろしくお願いいたします。

2015年11月6日金曜日

ユメザメの背骨を食べる(脊椎標本ができるまで)

 先日、お世話になった焼津の長兼丸さまより船上解体ショーで使用したユメザメCentroscymnus owstonii)の体の一部をいただきました。
 
駿河湾産ユメザメ、いわゆる「カクバラ」

 皮膚と背骨とその周りのお肉などです。

 皮膚は、乾燥させ皮標本として価値のない粗悪な出来となりました。欲張って大きいままで乾かしたのがいけなかったです。

  そんな中、背骨周辺の肉は乾燥させジャーキーに(非食用)。
 残った背骨はどうしたかと言いますと、お肉をきれいに除去するためある生き物に食べてもらうことに。 我が家の淡水魚水槽の住人であるスカベンジャー(残飯処理係)、3センチほどの淡水エビとカワニナです。

 肉はある程度腐らせ、指でそぎ落としてから骨様組織の見えるまで食べていただくことにしました。

 以前にも市販のアブラツノザメの背骨をしゃぶってもらいました。似たような状態から、最終的には脊椎骨を残しそれをバラバラに解体してもらうところまでやってもらえました。

 脊椎(椎体)は、「鼓」のような形状で脊索の組織まで食べてもらえました。

 件のユメザメですが、数週間たちまして周りの肉をほとんど食べていただけました。
 
大きさは10センチほどの背骨。肉はほとんど食べられた。


 椎体は、写真だと薄茶色の部分(脊髄)ではなく、下部のまだ軟骨に覆われている、より白い部分です。  わかりやすく「数珠(じゅず)」に例えますと、数珠のヒモが脊索、数珠の玉が脊椎、脊髄はその上に乗っかっている状態です。
 このまま放置するとすべてバラバラ(個々の椎体)になりますので、一部を背骨標本(という名のガラクタ)にして端部を切り再び食べ続けてもらうことに。
 この状態だとエビよりもカワニナの方がしゃぶってくれます。

 「ほねっこ食べてぇ~」状態です。(提供:サンライズ)

 また、あるサメ好きの方から「ツノザメ類は、脊索が大きいとの話を聞いたことがある」、との話題をいただきましたが、椎体のなかにある脊索(索とはひも状の意味です)は他のサメのものに比べてやや太い印象を受けます。でも椎体そのものがあまり大きくないので、大きなツノザメ(オンデンザメなど)で比較すれば明瞭かもしれません。
 ちなみにエビやカワニナは脊索まで食べるので、最終的には穴の空いた椎体ができることでしょう。 

 この模様をタイムラプスの動画に上げたとして、需要があるかどうかは不明です。
 うちじゃ、やんないよ!
  また数週間後に椎体だけになったらお目にかけましょう。

 ※最近、ロシアからのアクセスが増えています。なぜ?

Липницкая мило!
Путин причудливый?
Снег складывается в Москве.

Спасибо, что пришли.

(グーグル先生による翻訳なので意味が通じますかね)
 

2015年11月1日日曜日

サメ研究最前線を求めて (国際水産資源研究所:FRA 一般公開2015)

 ★マオナガ編レポート アップしました(11/1)→サメコラム1
 ★サメ標本編 レポート アップしました(11/2)→サメコラム2
 ★サイエンスカフェ仙波博士編 レポート アップしました(11/2)→サメコラム3
 
 思い立ったがなんとやら、9月に続き10月も静岡県に出張もとい訪問となったのは、あるブログの書き込みからでした。

 10月頭に、ぶぶサメ(ネット配信放送)と談話会でご一緒したシャークジャーナリスト沼口麻子さんより、静岡県清水区折戸にある「国際水産資源研究所」での一般公開イベントで、サメをテーマにした催しが開かれるとの情報でした。

 10月31日という開催日を聞いたのがほぼ1週間前。

 行くべきか行かざるべきか。

 ダメもとでスケジュール調整を無理やりにして、夕方帰京(都)できるような弾丸ツアーを組むのも厭わず、「サメ研究の現状を研究者の方から直に聞きたい」という発作的なHaieの「病気」がこの道行きを選んだのでした。

 件の沼口さまに窺いますと、ご本人はおいでになれないとのことで、「Haieさんレポートよろしく」というありがたい御意を賜り、京都より馳せ参じたのであります。
  ジャーナリストに記事を期待される私はなんなんや?との思いはさておき、清水につきましたのは正午ごろ。
国際水産資源研究所入口 おとなりはあの東海大学海洋学部キャンパス

 当日はドッタンバッタンしながら出立しました(いつものことです)ので、カメラは忘れるわ、聞き取りノート(通称:サメ閻魔帳)まで自宅に置きっぱなしのまま、準備不足寝不足のまま旅路についたのです。(掲載画像はすべてオフラインのケータイによるものです)

 私の事情などどうでもよいのですが、こちら「国際水産資源研究所」の名称にあまりなじみがないなぁと思っていましたら、長年ついていた水産庁管轄の「遠洋水産研究所(遠水研:えんすいけん)」から組織改編があり、独立行政法人を経て、今の国立研究開発法人として水産総合研究センターが存立され、その中の国際資源研究の部門、つまり日本の沿岸以外の漁場が調査対象の研究施設として運営されておられるようです。
 現在の正式名称は
 国立研究開発法人 水産総合研究センター
 国際水産資源研究所

 そして年に一度、一般に広く研究内容を理解してもらう機会として、この一般公開を行っているようです。
 イベントの目玉としては、本物の4mのマオナガ(オナガザメ)の展示、サメ研究者の貴重な講演、その他のサメ標本展示や、ロープワークやちりめんモンスターのワークショップ、クジラ・マグロ・カツオ・カジキ類の展示などでした。 
東北沖で捕獲された4mもあるマオナガのメス

 講演は、途中参加(4回中3回)でしたがほぼ満室で盛況ぶりがうかがえました。(定員20+30ほどの会議室)


講演を務められた、甲斐幹彦博士、仙波靖子博士、カジキ展示で詳細な解説をいただいた研究員の方、その他現場のスタッフの皆さまお疲れさまでした。 この機会を設けていただいたことに感謝いたします。
 (講演冒頭のあいさつで「本日はお忙しい中…」と言われるたびに、「ホンマに忙しいのはみなさんの方やで」と思いましたが) 

 電車の時間が迫り、アンケートも出さず講演を中座する形で帰路についたことが心残りではあります。(お土産もらわず帰還で無念)
  講演の内容や展示魚種などの紹介は、本家サイトで近日レポートの予定です。

マオナガ編レポート アップしました(11/1)→サメコラム1
サメ標本編 レポート アップしました(11/2)→サメコラム2
サイエンスカフェ仙波博士編 レポート アップしました(11/2)→サメコラム3

本家サイト(公開終了)